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義援金で応援2017.07.26

とうほくIPPOプロジェクトレポート -たみこの海パック(阿部たみ子さん)-

「とうほくIPPOプロジェクト」支援先活動レポートシリーズは、第4期の支援先である「たみこの海パック」阿部たみ子さんに、お話をうかがいました。

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「三陸の天日干しわかめを食べたことあります?塩蔵ではなく、天日で干したわかめは肉厚で、自然の旨味がすごいんですよ」。訪れた取材スタッフに向けて明るく阿部たみ子さんは天日干しわかめを勧めてくださった。一口いただくと、口の中でミネラルと磯の香りがひろがりました。
震災から5年。海側にある宮城県三陸町戸倉地区は漁業と観光で栄えた地域です。たみこさんの事務所の前からは広がる海を眺めることができます。静かで美しい海が、震災のとき津波となって戸倉地区を襲いかかったその時の光景をたみこさんの頭には焼き付いていると言います。一度は海から離れようとしたたみこさんは今、いろいろな方の助けを受けて、この地に暮らすことに決めました。そして今、漁業と観光を合わせた仕事を立ち上げてこの地の未来に向けて活動しています。とうほくIPPOプロジェクトの支援を受けたことで作られた会議室で、たみこさんは私たちに津波の経験とこれからの展望をお話くださいました。

 

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談話室として増設された建物の前で。

 

 

■津波の被害を受けたあと、避難生活をされていらしたと伺いました。もともとは漁師の
 お仕事をされていたたみこさんが、海産加工物ブランド「たみこの海パック」を立ち上
 げるまでのことをお教えください。

 

大勢の人たちと共同生活をしていた避難生活から、7月に仮設に入ったのですが、そこからはようやくこれからの生活を考えはじめるようになり、不安に押しつぶされそうになりました。この地を離れたい、家族はどうなる?海が怖い、何をしていいの?と押し問答で本当に辛かった。お父さんは海の仕事に戻っているのに、私は他の仕事に携わっていました。悩みは不思議と身近な人よりも、距離があるボランティアの方のほうが素直に話せたんです。ここで生活していかないといけない、でも海に行かなくてもできることは何か...。そんなとき、山形から嫁に来た当初、この地の海産物を山形にいる親戚に送ったら喜ばれた話をしたんです。「戸倉の海産物は本当に美味しい」と喜ばれるようになって、当時注文を受けたりもしていて、ちょっとした資金稼ぎになっていたんです。あるボランティアの方に、それをやればいいのでは?とアドバイスをいただいたんです。そのあと、たくさんの方の助けを受けて、2012年に「たみこの海パック」を立ち上げました。

 

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これぞ天然の海産物。食べやすくカットされたアイデアは主婦の知恵。

 

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人前で話すタイプではなかったというたみこさんは自ら広告塔となって活動する姿に、戸倉の海産物を世に伝える気概が感じられました。

 

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たみ子さんに会いにたくさんの人がここを訪れます。

 

 

■そのあと、とうほくIPPOプロジェクトに出合うまでの流れをお教えください。
 

雇用支援や起業支援を受けられましたので、最初はパソコンを扱える地域の若い女性を雇用して、ここのプレハブで作業をスタートしました。口コミで広がって行き、いろいろな人が訪れるようにもなりました。そのうちに海も復興してきたんです。2014年に国からの支援が終わり、15年からは自立していこうとなったとき、この地区で船があるのはうちの船だけ。もともと漁業と観光で栄えた土地ですから、それならこの船を使って、復興していく海を見てもらのはどうか?と戸倉地域の人たちと動き始めたんです。一次産業をしてきた漁業の人たちは、自分たちの海を見せるようになってから意識が変わっていきました。直接人を招いて船に乗せて、海を見てもらい、魚介類を食べてもらう。お客さんたちが喜ぶ声を直に受けるうちに、もっと喜んでもらいたいという思いが増えていったんです。何度も話し合い、思い切って漁場を3分の1に減らして、品質を上げて行くことを目指しました。そうしたら、2017年今年の3月にASCに認証されたんです。同時に、ここを訪れる方々に私は以前から津波の話をしてきたのですけど、「たみ子さんの震災での話を伝えてほしい」という声をたくさんいただいてきました。すごく心に響いたって言われるうちに、私にできることはそういうことじゃないかと思ったんです。それには、ちゃんとお話ができる場所が必要だと思っていたときに出合ったのがとうほくIPPOプロジェクトです。

 

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パッケージを何度もリニューアルして、日々進化するたみこさんの海産乾物

 

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この地域に残された、たみ子さんの旦那さんの一艇が浮かぶ海。

 

 

■とうほくIPPOプロジェクトの支援を受けてから何か変わりましたか?
 

とうほくIPPOプロジェクトの支援金でもともとあったプレハブの事務所にこの談話室を増設しました。おかげで研修でこの地を訪れたいと言う学生さんたちの受け入れが出来るようになりました。場所が出来て、出会いが増えて視野が広がりました。そして、販売のプロである商工会議所の方々の意見もいただいてより良質な状態のものをお届けできるようにたみこの海パックの包装の改善や商品のちらしやパッケージのリニューアルをしました。販路先の拡大に向けてfacebookやホームページも開設。今は外国人も来るんですよ。スタッフは主婦が中心なので、商品を使ったレシピアイデアもたくさんあります。そのアイデアを集めて、魚介類、商品、そして復興する海の力をお伝えしていきたいです。無添加無着色にこだわっている自慢の食材ばかりですから。

 

 

■これからのたみこの海パックの展望をお聞かせください。

 

たくさんの方に支えられて、助けられて今があります。私も母親の介護をしているので限られた時間でしか働くことができません。そういう女性たちが多いのだと思います。一日8時間労働ではなく、一人でも多くの方が参加できる職場になればと思っているんです。一日2時間だけでも、働きたい人が働きたい時間だけ働ける場所にしていきたいです。多くの人がここに集まって、意見を出し合いながら、いい商品を作っていきたい。まずは、販路先を広げて行くことですね。チャレンジしたいことは山のようにありますから。

 

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【2016年取材:羽鳥靖子(ライター)】 

 

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たみこの海パック
>>> 詳細はこちらから

 

 

◆「とうほくIPPOプロジェクト」の第7期事業を募集中です。 (~10月2日まで)

以下のページをご参照願います。

http://www.felissimo.co.jp/s/tohokuippo7/

または、「とうほくIPPO」と検索してください。

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